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2013/3/4『再生可能エネルギーが地域を救う』シンポジウム【報告】

2013年3月4日佐野市文化会館にて無事終了しました。

たくさんの方にご来場いただきまして誠に有難うございました。

 

シンポジウムはNPO法人エコロジーオンラインと佐野市とSACO-netの共同開催。

岡部佐野市長よりご挨拶。

続いて田口SACO-net代表挨拶。

トリはエコロジーオンライン代表上岡裕さんのご挨拶。

今回2番目の講演者、村上敦さんは上岡さんの古くからのお付き合いから遠路ドイツからお越しいただきました。

第1部に牛山足利工業大学学長より「大きく動き始めたわが国の再生可能エネルギーの動向」と題して講演いただきました。

地球的面積のたった0.2%の国が世界の2%ものCO2を排出している。地球温暖化はますます深刻化していると。

再生可能エネルギーの風力発電は北海道や東北が風況的に有利で東北は現在1600基あるがこれは4000基まで増やす事が可能。関連部員点数がたくさんあるので、日本の製造雇用にも大きく寄与する。

講演を聞く岡部市長
講演を聞く岡部市長

興味深いトピックでオリンピックの聖火は「太陽光」で採火するそうです。

 

また、日本の小水力のポテンシャルも凄い!とヨーロッパの国々と違い、山と川の数、高低差、水流どれをとっても素晴らしいので、もっともっと普及させなくてはいけないと。

県別でみると1位岐阜、2位富山、3位長野と日本アルプスに集中していますが、群馬8位とあり、我らが栃木県は惜しくもトップ10にはランキングしませんでしたが11位12位あたりに来るのでは無いかと思います。

更に当時富国強兵策で銅の開発が必要な時代に足尾銅山を開発した古河 市兵衛とマ逆の開発をした別子銅山・伊庭貞剛のお話しもとても興味深い内容でした。

足尾もこの伊庭さんが開発していたら全く違う歴史になっていたんだろうなと。

栃木県の偉人、相田みつをの「ともかく具体的に動いてごらん具体的に動けば具体的な答えが出るから」を引き合いに出して、このエネルギー問題、地球温暖化問題に市民一人一人が具体的に何かを動いてみることが大事ですとしめくくっていただきました。

牛山学長、貴重なお話し有難うございました。

続きましてドイツフライブルクから遠路かけつけてくれた村上敦さん。

「地域を豊かにするドイツのエネルギー自立」というタイトルで講演頂きました。冒頭からキロワット時=カネ!と切り出し、経済的観念が無いと持続可能な社会は実現できないとして、以下のように佐野市を分析。

・人口12万人

・一般会計約430億円(お恥ずかしながら初めて知りました)

エネルギーとしてのお金

・指標としての民生家庭:4.5万世帯×30万円=135億円

・エネルギー総売上高(業務・産業含む):135億円×3倍≠400億円

・領土外からのエネルギー輸入額:400億円×60%≠250億円

ナント250億円ものお金が佐野市からしかも毎年逃げて行ってしまってるということです。これはもちろん、概算なのでズバリでないことは言うまでもありませんが、しかし、この大きな大きなお金がこの佐野市に落ちる、つまり使われるようになったらどれだけ財政にプラスになることか!!

この経済的観念を持たなくてはこれからさき佐野市はエライことになると。

根拠として持ってきたデータが国交省から出ている“国土の長期展望”。これによると2050年までに半数以上の地方自治体は消滅する!とあるのです。

これは村上さんが勝手に言ってるのではなく、国交省と言う国の公の機関が公表しているデータです。

村上さんが何故このデータを引っ張り出し、論拠にしているかと言えば、現にドイツ東西統一により、旧東ドイツの西への人口移動がハンパなく、人口の30%を失っている旧東・北ドイツの自治体がたくさんあるのを目の当たりにしてきたからなんですね。

そうして、今、この東ドイツでは再生可能エネルギー産業が「最後の希望です」と積極的に施設建設、工場誘致を行って、経済・エネルギー自立を果たそうとしていると。

 

すでに長野県ではこの危機感からまずは「地球温暖化対策室」をつくり、そこでデータをつくり輸入支出額(2008年度)4,131億円が海外へ逃げているお金だとして、これをいかに県内に落として域内でお金がまわるかを検討実行しているそうです。流石男女とも長寿NO1(関係無いか)ですね。

これは是非とも栃木県、佐野市でも真剣に考えて欲しいですよね。

 

ドイツではすでに、2012年の段階で再生可能エネルギー比率22%を達成しています。2050年では80%という目標を設定しているが、バイオマス・水力はすでに限界に来ていて、風力を7.3%→5倍の50%、太陽光発電4.6%→約7倍の30%で実現に向かうと。

これに比べて日本のバイオマス・水力のポテンシャルは莫大に大きいと牛山先生もご指摘している通り、ドイツより伸びしろは日本の方が大きいとハッパをかけていただきました。

たくさんのドイツ事例の紹介からわたしが一番驚いたのが、この写真。何の変哲もないビル(実際は病院)ですが、これがゼロエネルギー建築だと。「え、これが?なんで??」と疑問になりましたが、説明を聞いてびっくり!この近くに工場があり、そこの煙突から出る排熱で熱交換してお湯と電気をつくり、それをこの病院まで持ってきているからゼロエネが実現出来るのだと。

本当に凄いし、素晴らしい発想だと思います。ただ、煙を地球に吐き出すだけでなく、しっかり取れるエネルギーはトコトン絞り出す。こんな調子だからドイツの工場の至る所にこういう仕組みが施されているんですね。

こんな素晴らしいことは是非是非真似すべきだと思います。

ここからエネルギーを拝借♪
ここからエネルギーを拝借♪

 

 

 

2011年末までに再生可能エネルギー分野の雇用は38万人に!

地域のエネルギーを外から買わずに中で買うには当然再生可能エネルギー施設をつくらなくてはいけませんが、ここで大事なことはこの施設も地域の企業が地域のお金でつくらなくてはならないと言っています。

当然ですよね。地域経済活性化のためにやるのですから。

これもおどろくべき事実でドイツではこのお金を出す人の39.4%が個人!つまり一般市民!!ついで、21.2%が農家、19.2%地域産業ということで、外部資本はほとんどありません、というか、入れません。行政も外部からメガソーラーを建設しようものならありったけの企業に取って”酷”な、つまり行政に取って”絶大なメリット”を求めます。故、大概の企業は採算に合わないとして計画を断念すると。

こんなデータも紹介!

自治体に発生する純利益2MW風力(標準ケース、初期投資3億円)

ケース1:単に自治体内に風力発電が設置された=49.5万ユーロ(約6,000万円)

ケース2.3とばして

ケース4:風車の所有者が自治体内に存在する=141.4万ユーロ(約1.7億円)

と3倍近くのお金が地域に落ちるんですね。

それくらい、地域の土地や水や風は貴重な資源なのでよそもんには貸せないというわけなんですよね。だから、この地域の財産を有効活用して、地域が発展できるよう必死に考え、実行している。

 

余談ですが、村上さんのいるドイツ・フライブルク市の職員は市庁舎にほとんどおらず、1日出掛けている。どこに?市一円を歩き回り、個別にボイラーでお湯をつくっている家庭・店舗等があれば、2,3戸を束ね共同でお湯つくって電気もつくるコージェネシステムを提案しているそうです。こういうたゆまぬ努力の積み重ねがエネルギー自立への道だと思います。

この辺も是非是非真似して頂きたいところですね!

 

もっと、たくさんご紹介したいお話しもありますが、長くなりますのでこの辺にて。。。

村上敦さん有難うございました!

 

文:啓発かかりちょう吉田登志幸