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佐野市環境ネットワーク会議
事務局
(佐野市環境政策課)
担当;藤・小野
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kankyou@city.sano.lg.jp
SACO-netメンバー有志とみかもクリーンセンター職員さんと合同で佐野市が全国に誇る油のリサイクル会社(株)吉川油脂さんへ見学と意見交換会に行ってまいりました。
まずもって、わたしが非常に驚いたのが同社の立地!飛駒の山に自然に溶け込んでいるオフィスと工場他施設が素晴らしいのヒトコトで、これだけでも多く方に見てもらいたいと思いました^^
吉川千福社長(写真)自ら案内いただきました。
まずは油の基礎知識。国内には事業・産業系を主に30万tの油が集められ、その60%は養鶏用の飼料(カロリー源)に、また純度の高い高品質油はインク原料に販売をされていて、バイオディーゼル等の燃料用としてはおよそ1%くらいしか販売されていないと。
まだまだコストで負けていて、韓国のように何か強力な国の施策が無ければ、まず戦える価格ではないそうです。
同社も佐野市内では年間約400tの油を産業・事業系会社から有価引取りして、リサイクルし、先のような商品にして販売をしています。福島県全域の学校給食施設とは20年来のお付き合い。そんなことで、福島県本宮市にも施設があります。もう一つは埼玉県八潮市で3拠点展開です。
写真右がリサイクル後の油で左は更に蒸留した状態。人の感覚ですが、わたしが匂いをかいだ感じは二つとも感じませんでした。
ご存じファストフードM社の油も同社が引き受けています。
これまたファストフードのL社は専用の容器で渡し、それを処理する会社は洗浄後、またロッテリアに返す方式を取っています。この辺はロッテリアもしっかりリターナル容器を使いリデュースをやっていますね。
同社の凄いところはとにかく、廃棄物を極限まで出さずにリサイクルするその徹底ぶりです。
画像は何をやっていると思いますか?
これは、さっきのM社のような容器から油を取り出すのですが、必ず容器に油がべっとり付着します。これを洗浄すれば、その汚染水がどうしても出てしまう。考えた方式がコレ。蒸気でもって容器を温め、ユルクなった油を簡単に回収します。
ビフォアー。
ほとんどこんな状態です。
アフター。
蒸気パワーでこんなになるんです。凄いですね。
キレイになった容器なので、通常のスチールとしてリサイクル業者へ出せます。
これは油の加温施設。夏場はそうでもないですが、冬場はかなり固くなるのでそれをユルクするために、容器別に扱います。
引取り先から出た容器もリユース!
最初トマトペーストとあってので何でだろ?と質問したらそういうことでした。
さっきのL社容器を丁寧に洗います。
そうそう!ここで大事な情報を。
同社は知的障害者の方を積極採用し、現在23名働いています。画像の彼らがそうです。
更に、素晴らしいことに23名分の宿泊部屋を同敷地内に建設、もちろん、食事も提供。
障害者雇用の問題は日本がかかえる大きな大きな問題でもありますので、同社がなければ困るという方々がこうしているわけですね。
油処理する機械のヒトツ。
そこから、こんな風に処理された油かすが出てきます。香りは結構香ばしいような、ギョーザ店で出てくるラー油かすみたいな感じですね。
それが、先のトリ用飼料になったり用途別に収納されます。
集められた油かすは直射日光の当たらない、風通しの良い場所で保管します。
密閉された空間や日光を直接当ててしまうと、油かす自体、熱を持っているので自然発火する危険があるんです。
これも素晴らしい施設。排水処理施設なんですが1,2,3層あり、1層目(画像奥)で油を浮かしてここでもまた、先の施設に戻して、油かすを搾り取ります。
3層目では法規にのっとった水質まで高めます。
排水処理にとどまらないのがここのスゴイところで、排気用の換気ダクトからも油分を液化して摘出。同じように処理プラントに戻してリサイクル。
本当に至る所で、排出物に関するケアが素晴らしいです!
これがバイオディーゼルプラント。と言っても、そんな何千万もする機械ではなく、自前でつくったプラントだそうです。ただでさえ、価格が合わないのに何千万もするのでは益々市況価格から遠のいてしまいますよね。
残念なことに、他の自治体ではそれを知らず、高い機械を買ってしまい、価格差でほとんど売れてない所もあるそうです。
処理装置を時間差で搾ります。こうすることで、タイムリーな生産が出来、ロスや処理待ち油を減らすことが可能になると。これも自前の機械だから、ユーザーの理想通りに生産できるというわけですね。
沈殿したグリセリンは下から抜いて除去。
これもオリジナルならではですかね?素人目にもとても理にかなった作業性の高いプラントだと思いました。
完成品を容器に移し替える。
SACO-netと意見交換したのは家庭用の廃油の回収についてでした。
事業・産業系油ですと世界一安いと言われている”パーム油”成分が多すぎてどうしても、高品質な油にリサイクル出来にくいと。大豆インクの原料の会社からは高い精度を求められるし、先のバイオディーゼルでも、生産コストを安くしようとすると不純物除去処理を可能な限り避けたいわけです。
そこで、家庭で使われている油はパーム油成分が非常に少なく、リサイクル価値の高い油なんです。しかも、驚くことに現在回収している家庭用油の半分は未使用品だとか!
お中元、お歳暮で賞味期限が切れて、捨てられず、回収されている現状です。回収されるのならまだしも、もしかしたら流し台に捨てられたりしているのかもしれません。
捨てれば河川が汚れるが、回収すれば高品質素材になるんです。
そんなことで、SACO-net、佐野市、吉川油脂三位一体でまずはこの家庭用油の安定回収スキームをつくりたいと考えています。
わたし個人的にもずっと「佐野油田」をやりたいと思っていたので、是が非でも早くに実現したいですね!
やるなら『B100』という100%バイオディーゼルです。2%や3%混入も出来なくは無いですが、現在同社のクルマにこのB100を使用していて何ら損傷が無いし、冬に弱いとされているバイオディーゼルですが、吉川社長曰く「品質の問題!」で、「しっかり精製された排油を使えば、この寒い飛駒の冬でも全く問題ありません」と。
それに、実は2%や3%を使用する場合税金が31%かかり、それの税金計算するだけでも大変な手間だし、面倒だからと言って払わないわけにはいかない。
それなら、ズバッと100%にした方がすべてに対してプラスですよね。
というわけで、貴重なお時間を割いていただいた、吉川社長や吉川油脂の皆さん有難うございました!着実に一歩一歩具体的に進めて参りましょう!!
(文:吉田啓発かかりちょう)
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